受験1年目
1年目は早稲田セミナーの通信講座から始めました。
司法書士試験は、暗記量が多い試験だと聞いていましたので、独学だと勉強のポイントを掴みにくいと考えたからです。予備校として、早稲田セミナーを選んだのは、司法試験の受験時代(私は学生時代に司法試験の受験勉強をしていましたが、その後、司法書士試験に転向した経緯があります)も早稲田セミナーに通っていたからというのと、竹下先生の講義が聞きやすかったからです。
時間の都合もつけやすいだろうと通信での受講にしました。
受講開始したのは、確か12月頃だったと思います。とりあえず時間の取れる環境でしたし、司法試験の勉強をしていた時の知識の貯金もあるので、週3回ペースで講義をこなせば問題なく追いつけると考えていました。
竹下先生の講義は分かり易かったです。ただ、やはり基礎講座はあくまで「基礎」レベルでした。講義は、基礎体力と、自分で考えるきっかけを与えてくれるものだ、くらいに考えるのが良いかと思います。
初心に帰り民法から勉強を始めたのですが、基本書は、まずはデュープロセスを利用し、その後デバイスという早稲田セミナーの司法試験用サブノートを併用しました。前者は単に講義で使うからという理由です。勉強が進むうちに、正直受験用にしても内容薄いのではないかと思い、後者を取り入れました。デバイスはよくまとまっていて、受験レベルとしては濃すぎず薄すぎず、今でも使って良かったと思っています。
ノートは作りませんでした。必要があれば、基本書の余白に小さな字で書き込みました。
まとめて覚えなければならない部分について、基本書の記載が不十分な場合や、書式問題を解いた後で、自分なりの注意点をまとめたりはしましたが、書くことに時間は費やしませんでした。
アウトプットは、直前チェックと過去問集(いずれも早稲田セミナーのもの)を使いました。
具体的な勉強方法としては、「講義を聴く→とりあえずデュープロセスの内容を復習する(2回)・デバイスを読み返す(この二冊は常に隣において参照していました。)→直前チェックを解く→過去問を解く」という流れです。
内容を理解し、基本書をしっかり頭に叩き込んで、一問一答形式でスラスラ答えられるようになると、過去問も問題なく正解できたと思います。
実体法は時間を掛けてもきっちり理解して、人に説明できるくらいのレベルまで勉強することが必要ではないかと思います。このあたりでやりがいを感じられないと、後々勉強の継続が辛くなるのではないかと思います。予備校の基本書は何冊か見てみましたが、どれも内容が薄いと思います。実体法に時間を掛けて、納得いくまで考えたことは今にも繋がっていると実感します。余談ですが、法務局に限界事例をねじ込む(?)には、十分な理論武装が必要です。
不動産・商業登記法では書式ブリッジ、合格答練の本をアウトプット教材として加えました。問題を解き、解説を読み、知識の欠落があれば基本書・先例集に当たるという感じです。
書式は、いろいろ手を出さず、同じ問題を2回3回解きました。
マイナー科目は、デバイス・直前チェック・過去問集しか使いませんでした。(と言うよりも使う余裕がありませんでした。)受験レベルならこれで十分だと思います。暗記量も多く、どの道いくつもの教材に当たってもこなせないのですから、信頼の置けるものを見つけて、それを何度も繰り返すのが得策だと思います。
模試には行きませんでした。一日取られるのが面倒でしたし、別段自分の順位には興味がありませんでした。要は本試験レベルの問題が解ければ受かる、解けなければ落ちるだけのことだと考えていました。
手を広げすぎず、とりあえず信頼がおけそうな教材を読み込んでみて、それでも点が取りづらいようならば、他の教材を考えることが必要だと考えます。
点を取るための勉強スタイルは割りと苦労せずに身に付いたと思うのですが、受験生にも関わらず趣味に裂く時間が多くて・・・。実際は1日5時間も机に向かえばましな方でした。結果満足な準備をできず、一度目の受験はかなり悲惨な成績に・・・。当然足切りレベルです。午後の部はひどくて、何千位でした。1年目は受験に専念したつもりが遊んでばかりでした。
受験2年目
2年目は、早朝の郵便局アルバイトをこなしながら、勉強しました。
あいまいな知識を「常識」にするため、ひたすら全科目の復習をしただけのように思います。
特に新しい勉強方法を取り入れたわけでもなく、本も改訂版を購入したくらいです。この頃になって、ようやく問題を解くのが楽しくなってきました。
それなりの自信をもって試験に臨んだのですが、結果発表を待つまでもなく、不合格を確信しました。順位は確か千何百位?(悔しくてすぐ捨ててしまったので正確に記憶していません。)まで上がりましたが、まだまだでした。
試験会場の早稲田大学からの帰り道、来年こそは必ず晴れ晴れした気分で帰るんだ!と決意しました。帰宅してから、家族に試験の手ごたえを「まあまあ出来た」と報告する自分が惨めでなりませんでした。
受験3年目
心機一転、3年目は、銀行で働きながらの勉強でした。
残業の少ない職場でしたが、それでも通勤時間まで含めると1日10時間以上の時間を拘束されてしまいます。
なんとか頑張って、始業時間の1時間前に会社のある駅に到着し、コーヒーショップで勉強しました。昼間の休憩時間はきっちり1時間取れたので、さっさと食事を済ませて、残りの時間を勉強に当てました。帰りの電車内でも勉強。
ある程度のリズムを作ることが必要だとようやく気が付き・・・今思うと、仕事をしていたこの時期が一番勉強に身が入っていたように思います。
もう復習するくらいしかすることがなく、登記法・マイナー科目で確実に得点する事を考えていました。多くの方がそうらしいのですが、午後の試験の方が得点が悪いですよね。試験直前には、ひたすら先例集を読み返すくらいでした。
本試験では、確か午前の部は33、午後は27、8、書式は不動産9割・商業8割位の出来でした。
午後の部には結構手こずり、解答が終わった時には試験時間残り一桁だったと思います。
そして、この年(平成16年)、合格することができました。
最後に
思い返せば、受験1年目・受験2年目の敗因は勉強に集中する時間が少なかったことに尽きます。
働きながらの受験を考えている方は、特に時間管理に気を配ってください。
勝因は、勉強スタイルを早めに確立できたことだと思います。要は過去問を解ければいいのですから、勉強していよいよ過去問に当たったときに、合格レベルの割合正答できれば、勉強方法は間違っていません。基本書の内容を消化している自信があるのに、正答率が低い場合には、勉強方法が間違っていると考えられます。
以上が私の合格体験記です。記憶していること、思っていることをそのまま書いていますので、理解しづらい部分がありましたら、申し訳ありません。
合格までの道のりは人それぞれで合格者によって体験してきたことも勉強方法も異なるかもしれませんが、1人の合格者として、皆様にとって一つの参考になれば嬉しいです。
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