第12問 民法

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解答

不正解

正解は、肢 1

正答率 : 6237/12918 ( 48.3% )
回答 回答数 割合
1ア・ウ6237 48.3%
2ア・オ1675 13.0%
3イ・エ1471 11.4%
4イ・オ1464 11.3%
5ウ・エ2049 15.9%

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民法:動産質権と不動産質権:昭57-12,平元-10,平2-8,平5-14,平7-17,平11-14,平15-14,平17-13,平20-13

解説


誤 り
所有者以外の者が,自らを所有者と偽って質権を設定した場合でも,目的物が動産であれば民法192条の適用により債権者が質権を取得することがある。また,目的物が不動産であっても民法94条2項の適用・類推適用により債権者が質権を取得することがある。従って,本記述は債権者が質権を取得する余地はないとしている点で誤っている。



正しい
民法355条,361条,373条。本記述のように設定者が第三者に所持させている動産・不動産について二重に質権を設定し,順次,指図による占有移転(民法184条)が行われた場合など,二重に質権が設定される場合もあり得る。このような場合,動産質権においては先に引渡しを受けた質権者が先順位質権者となり(民法355条。条文上は「設定の前後による」とされているが,引渡しがあるまで質権の効力が発生しないから,引渡しにより決することとなる),不動産質権においては登記の先後で順位が定まる(民法361条,373条)。従って,本記述は正しい。



誤 り
抵当不動産の第三取得者は,民法383条の定めるところにより,抵当権消滅請求をすることができる(民法379条)。不動産質権においては,その性質に反しない限り,抵当権の規定の準用があり(民法361条),抵当権消滅請求に関する民法379条も準用される。よって,不動産質権においては,質物の第三取得者は質権消滅請求をすることができる。これに対し,動産質権においては,かかる準用規定は存しないため,質物の第三取得者が質権消滅請求する余地はない。従って,本記述は誤っている。



正しい
民法344条。質権設定契約は要物契約であり,動産質・不動産質いずれの場合も目的物の引渡しがあってはじめて効力が発生する(民法344条)。これは,質権の存在を公示して他の債権者に警告しようとすること,及び,質権設定者から目的物の占有を奪うことによって留置的効力を発揮させようとすることによるものである。従って,本記述は正しい。



正しい
民法360条1項。不動産質権は,その存続期間に10年という制限のある点で,動産質権や権利質と異なっている。これは,他人の不動産を使用・収益する権利を長期にわたって認めることは不動産の効用を損なうことになることを考慮したものである。従って,本記述は正しい。


以上により,誤っている記述はアとウであり,従って,正解は肢1となる。

この問題・解答・解説の著作権は、辰已法律研究所様にあります。司法書士試験コミュニティは、辰已法律研究所様と業務提携関係を締結して、掲載を許可されております。コンテンツの全部または一部を無断で転載・複製(コピー)することは禁じられています。



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