抵当権の効力に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
- ア
- Bは,自己がAに対して負う金銭債務を担保するため,自己所有の甲土地に抵当権を設定しその旨の登記がなされた。その後Bは,甲土地をCに売却し所有権移転の登記がなされた後,甲土地につき競売が開始された場合,Cが甲土地について有益費を支出していたときは,甲土地代価から他の債権者に先立ってその償還を受けることができる。
- イ
- Bは,自己がAに対して負う金銭債務を担保するため,自己所有の乙建物に抵当権を設定しその旨の登記がなされた。その後,Bは期間を2年と定めて乙建物をCに賃貸しその旨の登記がなされた。この場合,Cは,競売手続開始後に乙建物の使用又は収益を開始したときであっても,6か月間は競落人Dに対する明渡しを猶予される。
- ウ
- Bは,自己がAに対して負う金銭債務を担保するため,自己所有の乙建物に抵当権を設定しその旨の登記がなされた。その後,Bは期間を2年と定めて乙建物をCに賃貸したが,その旨の登記はなされなかった。この場合,Cの乙建物賃借権を先順位の抵当権に優先させる同意をAがした場合であっても,Cの乙建物賃借権は消滅する。
- エ
- Bは,自己がAに対して負う金銭債務を担保するため,自己所有の甲土地に抵当権を設定しその旨の登記がなされた。また,BはCに対しても金銭債務を負っていた。この場合,Aが甲土地から弁済を受けることなく先にBの一般財産に対する強制執行を申し立てたときでも,Cは異議を述べることはできない。
- オ
- Bは,自己がAに対して負う金銭債務を担保するため,自己所有の甲土地に抵当権を設定しその旨の登記がなされた。その後,甲土地につき何ら占有権原を有しないCが甲土地上に乙建物を建築した。この場合,Aは,甲土地と乙建物を一括して競売に付することができ,甲土地の売却代金から優先弁済を受けることができる。
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