解答
不正解
正解は、肢 4
正答率 : 4507/11477 ( 39.3% )
肢 |
回答 |
回答数 |
割合 |
1 | ア・イ | 2535 | 22.1% |
2 | ア・ウ | 1717 | 15.0% |
3 | イ・オ | 1464 | 12.8% |
4 | ウ・エ | 4507 | 39.3% |
5 | エ・オ | 1233 | 10.7% |
解説文を読む | 問題リストへもどる
民法:抵当不動産の第三取得者:昭62-11
解説
- ア
- 正しい
民法378条。抵当不動産の第三取得者は抵当権者の請求に応じて代価弁済をしたときは,抵当権はその者のために消滅する(民法378条)。これは,抵当権の実行によりその地位がくつがえされる第三取得者を保護するための制度である。このとき,第三取得者が取得した物権が地上権であった場合は,抵当権が代価弁済をした第三取得者のためにのみ相対的に消滅し,第三取得者の有する地上権は抵当権に対抗できるものとなるから,後に抵当権が実行されたとしても,第三取得者は買受人にその地上権を対抗することができる。従って,本記述は正しい。
- イ
- 正しい
民法378条。代価弁済の制度は,そもそも被担保債権額が抵当不動産の時価を上回る場合には,第三者弁済や債務引受によって第三取得者が抵当権を消滅させることが事実上不可能な場合があることから,そのような場合に第三取得者を保護するために設けられた制度である。そこで,第三取得者が代価弁済した場合には,たとえその額が抵当債権額に満たなくても抵当権はその者のために消滅するとされている。従って,本記述は正しい。
- ウ
- 誤 り
民法474条2項は,利害関係を有しない第三者は債務者の意思に反して弁済することができないと規定している。ここでいう利害関係を有しない第三者とは,弁済をするにつき法律上の利害関係を有しない者をいう。この点,担保不動産の第三取得者は,弁済をするにつき法律上の利害関係を有しているから,債務者の意思に関係なく弁済をすることができる。従って,本記述は誤っている。
- エ
- 誤 り
従来の滌除制度では,第三取得者の滌除の権利を保障するため,抵当権を実行する際にはあらかじめ滌除権者にその旨を通知し,滌除の機会を与えなければならないものとされていた(民法旧381条)。しかし,滌除権者に抵当権の実行を事前に通知することは,実行妨害の機会を与えることになる。そこで,現行の抵当権消滅請求制度においては,抵当権実行を事前に通知する制度は廃止された。従って,本記述は誤っている。
- オ
- 正しい
民法390条。大判明38.5.8。抵当不動産の第三取得者は,その競売において買受人となることができる(民法390条)。第三取得者は,抵当権が実行されるとその権利を失うことになるので,この場合には,自らが買受人となり,所有権を取得する必要があるからである。これは,抵当権設定者は買受人となれないが,第三取得者はなることができるとする注意的規定である。そして,第三取得者には,抵当権設定後に目的不動産が共有となった場合の共有者の1人も含まれる(大判明38.5.8)。従って,本記述は正しい。
以上により,誤っている記述はウとエであり,従って,正解は肢4となる。
この問題・解答・解説の著作権は、辰已法律研究所様にあります。司法書士試験コミュニティは、辰已法律研究所様と業務提携関係を締結して、掲載を許可されております。コンテンツの全部または一部を無断で転載・複製(コピー)することは禁じられています。
スポンサード リンク
|
|