第19問 民法

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解答

不正解

正解は、肢 3

正答率 : 3336/10304 ( 32.4% )
回答 回答数 割合
12334 22.7%
21313 12.7%
33336 32.4%
41808 17.5%
51506 14.6%

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民法:相続分の計算:昭57-22,昭60-16,平15-24

解説


誤 り
まず,誰が相続人であるかを検討する。配偶者は常に相続人となるので(民法890条),Bは相続人となる。C及びEは死亡しているので,相続人とはなり得ない。被相続人に直系卑属及び直系尊属がいない場合には兄弟姉妹が相続人になる(民法889条1項)のでDが相続人になるとも思えるが,DがCに対する殺人罪により刑に処せられた事実は相続欠格事由に当たる(民法891条1号)ので,Dは相続人となり得ない。このようにDが民法891条の規定に該当し相続権を失っているので,Dの子であるFはDを代襲してAの相続人となる(民法889条2項,887条2項)。よって,相続人はB及びFである。次に,Fの具体的な相続取得額について検討する。配偶者と兄弟姉妹の代襲相続人が相続人である場合,配偶者の相続分が4分の3,代襲相続人の相続分が4分の1となる(民法901条2項,同条1項,900条3号)。よって,Fの相続分は4分の1であり,具体的な相続取得額は300万円である。従って,本肢は,相続による取得額を400万円とする点で誤っている。



誤 り
まず,Eが相続人であるかを検討する。Cは,相続を放棄しているので相続人とはならない。代襲原因は,相続開始以前の死亡,欠格,廃除の3つに限られており(民法887条2項),相続放棄は代襲原因とはならないから,EがCを代襲してAの相続人となることはない。よって,Eは相続人ではなく,Eの相続取得額は0円である。従って,本肢は,EがCを代襲してAの相続人となり相続による取得額が600万円であるとする点で誤っている。



正しい
代襲相続において,被相続人の子の子が代襲相続人になり得るためには,その子が被相続人の直系卑属でなければならない(民法887条2項ただし書)。この場合,子の子は孫であり被相続人の直系卑属であるのが通常であるが,例外は,被相続人の子が養子であり,その養子に縁組前の子がある場合である。本肢において,CはAB夫婦と養子縁組をしているが,EはCの縁組前の子であることからAの直系卑属ではなく代襲相続権はない。よって,Aの相続人は配偶者Bと兄Dであり(民法890条,889条1項2号),相続分はBが4分の3,Dが4分の1なので(民法900条3号),相続によるBの取得額は900万円である。従って,本肢は正しい。



誤 り
被相続人に対する虐待若しくは重大な侮辱,又はその他著しい非行があった場合に,被相続人の請求に基づいて家庭裁判所が審判又は調停によって相続権を剥奪する制度が廃除である(民法892条)。廃除の制度は,究極のところ,被相続人の意思を認めたものであるから,非相続人が宥恕しようと思えばいつでもなんらの理由を挙げることなく家庭裁判所に廃除の取消しを請求することができる(民法894条1項)。廃除が取り消されれば,相続開始後に取り消された場合でも廃除の効果は遡って消滅するから,被廃除者は相続人の地位を回復することになる(民法894条2項,893条参照)。従って,本肢は,Cが相続人の地位を回復することはないとする点で誤っている。



誤 り
まず,Gが相続人となるか検討する。GがFの死亡により再代襲相続するとすれば,Gは相続人となる。しかし,直系卑属の再代襲の場合(民法887条3項)と異なり,兄弟姉妹の場合には再代襲は認められない(民法889条2項は887条3項を準用していない)。その理由としては,核家族化の進行により甥姪の子となると通常親戚づきあいもなく相続制度の根拠である生活保障の観点からは問題があること,相続関係者が広範囲となると代襲相続人の存否・所在を把握するのが容易でなくその結果遺産分割が長期化すること等が指摘されている。よって,兄弟姉妹の子の子であるGは再代襲によってAの相続人となることはなく,Gの相続取得額は0円である。従って,本肢は,Gが再代襲によってAの相続人となりGの相続取得額が300万円であるとする点で誤っている。


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