解答
不正解
正解は、肢 3
正答率 : 4137/10978 ( 37.7% )
肢 |
回答 |
回答数 |
割合 |
1 | ア・イ | 2597 | 23.7% |
2 | ア・エ | 1632 | 14.9% |
3 | イ・ウ | 4137 | 37.7% |
4 | ウ・オ | 1460 | 13.3% |
5 | エ・オ | 1144 | 10.4% |
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民法:相続の承認・放棄:昭63-20,平5-22,平11-21,平12-19,平13-21
解説
- ア
- 誤 り
相続放棄は,財産上の行為である。そのため,相続人が,相続放棄をするには通常の財産法上の行為能力を有することを必要とする。そして,相続放棄は,財産上重要な行為であるため,被保佐人がこれをするには保佐人の同意を要する(民法13条1項6号)。従って,本記述は被保佐人Bが相続放棄をするには保佐人Dの同意を要しないとする点で誤っている。
- イ
- 正しい
民法915条1項,938条。相続人が十分な情報を得た上で,相続財産を承継するか否かを個々人で自由に選択できることを可能にするとともに相続債権者に不利益を及ぼさないため,相続放棄は,相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に,その旨を家庭裁判所に申述しなければならないとされている(民法915条1項本文,938条)。もっとも,その期間は,利害関係人又は検察官の請求によって,家庭裁判所において,これを伸長することができる(民法915条1項ただし書)。なぜなら,3か月という熟慮期間内には調査が完了せず,承認・放棄の判断ができないこともあり得るからである。従って,本記述は正しい。
- ウ
- 正しい
民法915条,923条。本記述においては,共同相続人Bが単純承認をしている。この点,相続の承認・放棄については各相続人の意思を尊重すべきであるから,相続人は,他の共同相続人が単純承認をしても相続放棄をすることができる(民法915条)。一方,限定承認は,法律関係を平明にし清算手続の複雑化を避けるため,相続人が数人あるときは,共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる(民法923条)。従って,本記述は正しい。
- エ
- 誤 り
相続放棄をした後に,放棄の趣旨や義務に反する背信行為がある場合には,相続人に放棄の利益を享受させる必要がない。そこで,相続人が,相続放棄をした後でも相続財産の一部を私に消費した場合には,単純承認したものとみなされる(民法921条3号本文)。この点,「私に消費」するとは,相続債権者の不利益になることを承知の上で,相続財産を消費することをいう。本記述のCは,相続放棄をした後に,相続債権者Dの不利益になることを承知の上で,遺産の一部である金銭を自己の債務の弁済に充てていることから,相続財産の一部を私に消費したといえ,単純承認したものとみなされる。従って,Cは単純承認したものとはみなされないとする点で本記述は誤っている。
- オ
- 誤 り
相続放棄は法律行為であるから,その理論的帰結として,相続放棄は,第一編の規定によって取り消すことができる(民法919条2項)。そのため,第一編の規定である詐欺を理由にこれを取り消すことができる(民法96条1項)。従って,Bは相続放棄を取り消すことができないとする点で本記述は誤っている。
以上により,正しい記述はイとウであり,従って,正解は肢3となる。
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