解答
不正解
正解は、肢 1
正答率 : 4486/10964 ( 40.9% )
肢 |
回答 |
回答数 |
割合 |
1 | ア・エ | 4486 | 40.9% |
2 | ア・オ | 2163 | 19.7% |
3 | イ・ウ | 1356 | 12.4% |
4 | イ・オ | 1448 | 13.2% |
5 | ウ・エ | 1508 | 13.8% |
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民法:遺贈:平2-23,平5-20,平8-20,平11-19,平12-18,平18-24
解説
- ア
- 誤 り
遺贈により利益を受ける者を受遺者というが,受遺者は遺言の効力発生の時に生存していることを要し,遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは遺言の効力は生じない(民法994条1項)。よって,受遺者の相続人は遺贈の目的たる権利を承継しない。従って,本記述は誤っている。なお,包括受遺者は相続人と同一の権利を有するとされている(民法990条)が,遺贈の効力を生じない以上,代襲相続はないので,包括受遺者の相続人でも遺贈の目的たる権利を承継しない。
- イ
- 正しい
最判昭49.4.26。指名債権の遺贈は遺言によって受遺者に債権を与える意思表示であって,意思表示によって債権移転の効果を生じる点において債権譲渡と異なるところはないのであるから,遺贈が効力を生じた場合においても,債務者に対する通知又は債務者の承諾(民法467条1項)がなければ,受遺者は遺贈による債権取得を債務者に対抗することができないと考えられる。判例も,「特定債権が遺贈された場合,債務者に対する通知又は債務者の承諾がなければ,受遺者は,遺贈による債権の取得を債務者に対抗することができない」と判示している(最判昭49.4.26)。従って,本記述は正しい。
- ウ
- 正しい
民法987条。受遺者は遺言者の死亡後,いつでも,遺贈の放棄をすることができる(民法986条1項)。このように「いつでも」放棄できるとすると,利害関係人の地位が不安定になる。そこで,遺贈義務者その他の利害関係人には受遺者に対する催告権が与えられている。すなわち,これらの者は,相当期間を定めて,承認か放棄かの確答を求めることができ,受遺者から何らの意思表示もないときは,遺贈は承認されたものとみなされる(民法987条)。従って,本記述は正しい。なお,包括遺贈の放棄には相続の規定が適用される(民法990条参照)から,民法986条及び987条は,特定の具体的な財産的利益の遺贈である特定遺贈にのみ適用される。
- エ
- 誤 り
負担付遺贈を受けた者が,その負担した義務を履行しないときは,相続人は,相当の期間を定めて履行を催告し,期間内に履行がなければ,遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる(民法1027条)。この規定は,取消しが遺言者の当初の意思とは反対の結果を生じ,また,受益者の利益を失わせることになるから,相続人の恣意的な取消しを避けるため,取消しの可否を家庭裁判所の判断に委ねたものである。よって,催告期間内に履行がないことをもって遺贈が当然に取り消されたものとはみなされない。従って,本記述は誤っている。
- オ
- 正しい
民法1002条1項。負担付遺贈の受遺者は,目的財産の価額を超えた負担を課されても目的財産の価額を超えない限度で履行すればよい(民法1002条1項)。この規定は,受遺者に過度の不利益を与えるべきではないことから定められている。受遺者に対する負担が予想外に大きくなっても,遺贈を受けた目的物の価額を超えてまで負担を負う必要はないのである。従って,本記述は正しい。
以上により,誤っている記述はアとエであり,従って,正解は肢1となる。
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