解答
不正解
正解は、肢 3
正答率 : 5242/13676 ( 38.3% )
肢 |
回答 |
回答数 |
割合 |
1 | ア・イ | 2645 | 19.3% |
2 | ア・オ | 1647 | 12.0% |
3 | イ・エ | 5242 | 38.3% |
4 | ウ・エ | 2310 | 16.9% |
5 | ウ・オ | 1828 | 13.4% |
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会社法:株式の譲渡:平7-29,平12-32,平16-28
解説
- ア
- 正しい
会社法155条3号,156条1項本文。会社法155条3号は,株式会社が自己株式を取得できる場合として,会社法156条1項本文の株主総会の決議があった場合を規定している。これは,自己株式の取得が,利益処分の実質を有することから,その取得に株主総会決議を要求するものである。従って,本記述は正しい。
- イ
- 誤 り
会社法上,株式会社が特定の者から自己株式を取得する場合には,原則として,他の株主が自己を売主に加えることの請求をすることができる(会社法160条3項)。しかし,取得価額が市場価格を超えないときには,他の株主は自己を売主に加えることの請求をすることはできない(会社法161条)。この請求は,他の株主に売却の機会を与えるとともに取得対価が不相当なものとならないようにするためのものであるところ,他の株主が市場で株式を売却することができる場合には売却の機会を保障する必要はなく,また,取得価額が相当である限り他の株主に損害を与えることはないと考えられるからである。従って,本記述は,取得価額が市場価格を超えないときであっても,他の株主は自己を売主に追加する旨の請求をすることができるとする点で誤っている。
- ウ
- 正しい
会社法139条1項ただし書。譲渡制限株式を譲渡するには,株主総会(取締役会設置会社にあっては,取締役会)の決議が必要である(会社法139条1項本文)。これは,譲渡制限制度は,会社にとって好ましくない者の参入を排除するために,会社が譲渡承認の可否を判断することができることとするという点に核心があるからである。もっとも,承認機関については,定款で別段の定めをすることができる(会社法139条1項ただし書)。これは,①譲渡の承認権者をどの機関にするかは二次的な事項にすぎないので定款で譲渡を承認する機関を定めることを否定する理由はない,②承認機関が何であれ,承認を拒否された者が会社に株式の買取りを請求できるのであれば,株主や取得者に不利益は生じないからである。よって,定款で,代表取締役を承認機関とすることもできる。従って,本記述は正しい。
- エ
- 誤 り
株券発行会社(会社法214条参照)において,株券発行までの間になされた株式の譲渡は当事者間では有効であるが,会社との関係では効力が否定される(会社法128条2項)。これは,株式発行事務の円滑化を図り,その渋滞を防ぐという技術的な要請に基づく。従って,本記述は会社に対して譲渡の効力を有するとする点で誤っている。
- オ
- 正しい
会社法50条2項,208条4項。権利株とは株式引受による権利であり,株式の前身にあたる地位である。この権利株を譲渡しても会社に対して対抗することはできない(会社法50条2項,208条4項)。これは,株券発行・株主名簿の作成に関する会社の事務手続上の便宜を図る趣旨である。従って,本記述は正しい。
以上により,誤っている記述はイとエであり,従って,正解は肢3となる。
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