解答
正解
正答率 : 3515/11783 ( 29.8% )
肢 |
回答 |
回答数 |
割合 |
1 | ア・イ | 3066 | 26.0% |
2 | ア・エ | 1643 | 13.9% |
3 | イ・ウ | 3515 | 29.8% |
4 | ウ・オ | 2008 | 17.0% |
5 | エ・オ | 1541 | 13.1% |
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会社法:事業の譲渡等:平9-30,平12-33
解説
- ア
- 正しい
会社法468条2項。会社法では,当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額の当該株式会社の純資産額(会社施行規137条)に対する割合が5分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては,その割合)以下の場合には,他の会社の事業の全部の譲受けをするために株主総会の決議をすることを要しないとしている(会社法468条2項)。従って,本記述は正しい。
- イ
- 誤 り
事業譲渡等においては,債権者保護手続に関する規定は置かれていない。事業譲渡等は,合併と異なり,権利義務が個別的に承継されることになり,事業上の債務については,債権者が債務引受に同意した場合を除き当然には移転しないため,債権者にとってさほど重大な関心事とはならないからである。従って,本記述は誤っている。
- ウ
- 誤 り
事後設立において会社が取得する財産価格の適正性を確保するための検査役の調査を要求することは,資本充実の観点からは合理性に乏しい。これは,一般の取引によって会社財産が害されることは,設立年数とは関係なく常に起き得る問題であり,また,会社が事業活動に伴い取得する財産の価格の適正性の判断は,取締役等の業務執行上最も基本的な判断であって,善管注意義務の範囲内で行われるべき事項であること等からである。そこで,会社法では,特に重要な業務執行として株主総会の特別決議を要求する規定(会社法309条2項11号,467条1項)を残して,事後設立における検査役の調査制度は廃止された。従って,本記述は,会社成立後2年以内に,一定の価額以上の財産を取得する場合(事後設立,会社法467条1項5号)に検査役の調査を受けなければならないとしている点で誤っている。
- エ
- 正しい
会社法468条1項。会社法は,略式組織再編手続(会社法784条1項)を合併等に導入しており,事業の譲渡等の場合にも,同様の制度を規定している(会社法468条1項)。これは,事業の全部若しくは重要な一部の譲渡又は事業の全部の譲受け等に係る契約の相手方が当該事業の譲渡等をする株式会社の特別支配会社である場合には,当該株式会社における株主総会の決議を要しないとするものである。従って,本記述は正しい。なお,特別支配会社とは,ある株式会社の総株主の議決権の10分の9(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては,その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人(会社施行規136条)が有している場合における当該他の会社をいう(会社法468条1項)。
- オ
- 正しい
会社法467条1項2号。会社法は,吸収合併等における簡易組織再編手続(会社法784条3項等)と同様に,事業の重要な一部の譲渡の場合についても,株主総会の決議が不要となる場合を認め,その要件を当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額(会社施行規134条)の5分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては,その割合)以下の場合としている(会社法467条1項2号)。従って,本記述は正しい。
以上により,誤っている記述はイとウであり,従って,正解は肢3となる。
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